組織的にソーシャルセリングを仕掛けるウィルゲート。そのメリットと社内の巻き込み方とは
組織的にソーシャルセリングを活用し、成果をあげているウィルゲート社。そのノウハウについてソーシャルセリングの第一人者でもあるCOOの吉岡諒様に話を伺いました。組織でソーシャルセリングを実施するメリットや注意点、導入方法などを具体的に語っていただきました。
前編はこちら:ソーシャルセリングの第一人者・ウィルゲート吉岡氏が語る、営業×SNS活用の極意
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「10分の1吉岡」を量産し組織的にSNSを活用
――吉岡さんはソーシャルセリングで年間3億円の新規受注という成果をあげていますが、同じことは誰にでも可能なのでしょうか。
吉岡:ソーシャルセリングは、そもそもSNSで友達やフォロワーがいないと厳しいです。Facebookなら2,000人は友達がいないと、大きな成果を出すのは厳しいですね。私は日々人に会い、名刺を交換し、Facebookで繋がるという生活を15年してきました。私と同じ行動を15年続ければ誰でも私くらいの成果が挙げられると思います。しかし、私の行動量は世の中から見てもかなり多いと思います。
では、私くらいのネットワークがなければソーシャルセリングをしても意味がないかというと、そんなことはありません。私の10の1の成果を出せる「10分の1吉岡」なら量産できると思っています。私はソーシャルセリングで年間約3億円売り上げるのですが、10分の1でも3,000万円です。私と同じくらい成果をあげる人材を育成するのは難しいですが、「10分の1吉岡」を10人育てるのは可能で、そこに挑戦しているのがウィルゲートです。
社内でのソーシャルセリングの広げ方
――社内でどのようにソーシャルセリングを広めていったのか教えて下さい。
吉岡:私が社内で定期的にノウハウの勉強会を開催していました。全社員の150人中実践したのはそのうち50人ほどです。さらにその中で夢中になったのは12人ですね。その12人は、私が教えたことをもとに、社内で「Twitter対抗戦」という企画を開催しました。6人ずつのチームに分かれて、フォロワー数を競う対抗戦です。3ヶ月で12人のフォロワーが5,596人増え、一番フォロワー数を伸ばしたメンバーは3ヶ月でフォロワーを836人も増やしました。
この結果で重要なのが、12人のインプレッションの合計が私のインプレッション数の月200万impを超えたことです。つまり12人いれば、3ヶ月で私を超えられることがわかりました。月1,000万インプレッションはタクシー広告に匹敵するほどのインパクトです。タクシーに広告を出稿すると月300万円以上かかるので、手間と時間がかかるとはいえ、それを無料でできるのですからやらない手はありません。
――メンバーのモチベーションを上げる施策は何かあったのでしょうか。
吉岡:SNSに限りませんが、6ヶ月に一度「ハイ達成インセンティブ」を設けています。これは自分のミッションを超えて成果を出した方に、最大50万円のインセンティブがもらえる制度です。例えばSNSを使って数千万円の案件を受注したり、リファラル採用に協力した場合にインセンティブが支払われます。
ただし、メンバーには「リード獲得をゴールにしてはいけない」と伝えています。なぜならSNSで案件を獲得ができるまでフォロワーを増やすには、ものすごい時間と手間がかかるからです。最初からそこをゴールにしてしまうと、途中で心が折れてしまいます。そのため、まずは自分のインプットとアウトプットのために行おうと伝えています。
実際にメンバーたちがSNSを初めて数ヶ月経ちますが、営業に繋げるような方法は教えていません。今のフォロワー数で問合せに繋げることはできなくもありませんが、まだ十分ではないからです。「ソーシャルセリング」という名目ではありませすが、重要なのはファンづくりなので、最初はフォロワーを増やすことに集中してもらっています。
組織でやるにも一人目の熱中が必要不可欠
――もし他社がソーシャルセリングに取り組む場合、まずは何から始めればいいでしょうか。
吉岡:まずは社内で僕のようにSNSに熱中する人間が一人はいなくてはなりません。一人目がSNSで成果をあげてはじめて、そのノウハウを社内に伝えられるからです。もしもノウハウを伝えるのが苦手だという方は、私がノウハウを教えている研修動画を9,800円で販売しているので、うまく活用してもらえればと思います。既に150名以上の方が動画を購入して活用してくれています。
――旗振り役が必要だということですね。
吉岡:そうですね。社内で最初にソーシャルセリングを始める方は大変だと思いますが、それに見合ったメリットもあります。もし「10分の1吉岡」だとしても、独立開業したらそれだけで年収1,000万円は難しくありません。SNSで仕事を取る練習、人を採用する練習になるはずなので、いつか独立を考えている方には特におすすめです。
また、Twitterをしっかり活用することで、人生の師匠にも出会えます。私自身、これまでTwitterを使って「Twitterの達人」や「オンラインセミナーの達人」「採用の達人」と繋がって、様々なことを学ばせてもらいました。必ずしも売上だけを追うのではなく、そういう人との繋がりを目的にするのも人生を豊かにしてくれるはずです。
――吉岡さんから見て、ソーシャルセリングが上手いと思う会社はどこでしょうか?
吉岡:FREE WEB HOPEさんとベーシックさんですね。Twitterを中心に両社とも組織的にSNSをうまく活用されていて、事業の成果にも大きく繋がっているのではないでしょうか。
ソーシャルセリングのリスクと回避する方法
――SNSでの炎上にリスクを感じている会社も多いのではないでしょうか。
吉岡:確かにSNSでの炎上により、会社がダメージを負うケースもニュースで見ますよね。しかし、会社がリスクばかりに敏感になっていては、組織的にソーシャルセリングをやるなんて夢のまた夢です。私自身、2020年4月からウィルゲートの広報担当役員になったため、監査役にSNSのリスクを説明しなければいけない担当になりました。炎上を防ぐためのガイドラインも社内向けに作っています。
いたずらにリスクにフォーカスするよりも、リスクを避けるために何をすべきか考えるほうが生産的ではないでしょうか。
――ガイドラインではどのようなことを記載しているのでしょうか。
吉岡:炎上というほどではありませんが、過去にあったトラブルや、それを防ぐための対策などを記載しています。例えば社内で写真を撮ったら、後ろに映っているホワイトボードに受注情報などが記載されていた、なんてことはどの会社でも起こりやすいことです。SNSで起こりがちなミスについてはしっかり対策しておきましょう。
とはいえ、SNSは現実世界の延長でしかありません。「SNSをやったら炎上する」と過度に怯えている方がいますが、常識的な投稿をしていれば炎上するはずがありません。人の悪口を言えば、現実世界でも嫌われれるのは同じです。現実世界でトラブルなく普通に生活できているのであれば、SNSでもそこまで怖がる必要はないと思います。
ただし、強いていうなら政治や宗教に関する主張は避けた方がいいでしょう。これらは正解がない世界なので、別の主張とぶつかって炎上する可能性が高くなりますから。
――最後にソーシャルセリングと相性のいい業界などがあったら教えて下さい。
吉岡:どんな業界であっても、ソーシャルセリングで成果を出すことはできると思います。SNSは社会の縮図です。もしあなたが「鬼滅の刃」の大ファンで、常に鬼滅の話をしていたら、鬼滅が好きな人が寄ってきますよね。SNSも同じで、あなたが毎日投稿していることに興味のある人達が集まってきます。どんな業界であっても、テーマを決めて投稿し続ければ自然と成果はついてきますよ。
しかし、重要なのはSNSに費やす活動の量です。例えば私がどれくらいSNSに時間を費やしているかというと、1ヶ月でMessengerに54時間、Facebookに38時間、Twitterに34時間、合計で126時間、1日8時間の働くとする約16日分です。これだけ時間を割けば誰でも成果は出ると思いますが、実際にここまで時間を割ける方は多くありません。私のソーシャルセリングのやり方を解説したセミナーに参加した方の意見で一番多いのは「ノウハウは分かったけど、それをやりきれるか不安」というものです。
ソーシャルセリングは受験勉強と一緒で、量をこなせば成果が出ますし、量をこなさなければ成果がでません。そこに魔法は存在しないので、これからソーシャルセリングに取り掛かるかる方は地道にコツコツやる覚悟を持って始めてください。
前編はこちら:ソーシャルセリングの第一人者・ウィルゲート吉岡氏が語る、営業×SNS活用の極意
ライター:鈴木 光平
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