【イベントレポート】1日でB to Bの極意を大公開!マーケから営業手法までノウハウを徹底解説
2020年にはコロナの流行によりテレワークが浸透。今後、企業のテレワーク化はますます進み、BtoB組織における営業・マーケティング活動の見直しや変革が求められます。
本記事では2020年12月16日に開催されたオンラインセミナー「BtoB Fes 2020〜1日でBtoBの極意がわかる!〜」の様子をダイジェストでご紹介。8社から豪華パネリストが登壇し、リード獲得、インサイドセールス、クロージング、受注後のフロー整備などのBtoB組織で成果をあげるノウハウを解説しました。
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<第一部>マーケ組織立ち上げの絶対必要事項
第一部では、マーケティング組織を立ち上げる時にこれだけは絶対外せないという施策と、成功するマーケティングの鉄板施策を語りました。
持田 雄一氏 株式会社ベーシック パートナーアライアンス推進室 室長
持田:マーケティング組織立ち上げで、外してはいけないことは3つあると思っています。1つは経営層の意思決定です。経営層にマーケティングをチャネルの1つとして強化していくという意思を明確に持っていただくことが大切です。2つ目は、専任の担当者を置くということ。3つ目は、評価体制の構築です。リードを何件以上獲得すれば何点、というようにマーケティング専任者を評価する指標がなければ、頓挫することになります。
成功するマーケティング施策とは、”顧客課題の解決策を惜しみなく出すこと”だと思っています。1番効くのはトップ営業の方がお客様から質問を受けたときに切り替えす内容や資料の内容を、抜粋して他の方にも周知させることです。顧客が困っていることや、質問したいことをサイトの中で網羅することが、コンバージョン率の向上につながってきます。
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田所 洋平氏
株式会社シンフィールド マーケティングチーム
田所:立ち上げ期に大事なのはKPIを設定して、とりあえずやってみることではないでしょうか。漠然としたゴールに向かって一つを作り込むよりも、まずはKPIを設定してABテストを行いながら改善していくことが大切だと思っています。
マーケティング施策においては、世の中で当たり前だと思われている定説を、実は間違っているんですよ、と覆せる内容を打ち出せると強いです。例えば「社長が思いを込めたビジョンを社員一人ひとりに語るのは、実はタブーなんです!」という広告を打ち出したとします。読み手はなぜタブーなのか分からず、続きが読みたい、という気持ちになりますよね。弊社のサービスであるマンガ広告は、軽い気持ちで読めるかつ、内容も理解しやすく施策としても目立つため、上手く活用していただければと考えています。
最後に、これからマーケティング組織を立ち上げる方に大切にしてほしいことをお聞きしました。
田所:マーケティングで重要だと言われている3C分析は、実際に業務をする上で大切です。自社や競合の分析をする際には、WEBで情報を集めるだけではなく、ぜひ生の声を拾うことを大切にしていただきたいと思っています。最も良いのは顧客から直接情報を集めることだと思いますが、外であらゆる情報に精通しているトップ営業マンがみなさんの会社にいるはずなので、営業と連携しながら情報を聞いていくのが大事だと痛感しています。
持田:田所さんのお話と同じく、マーケティングは数字だけでは分からない情報を持てるかどうかが重要です。情報収集に最適な手段は、自社の営業活動に関わることだと思います。サイトの数字は誰でも見れば分かるものですが、それだけで分からないお客様の熱量やお困りごとを生身で感じた上で、数字を掛け合わして仮説を立てながらコンテンツを作っていくと、施策の成功に繋がりやすいのではないでしょうか。顧客との商談に同席するのでも、営業の社員から話を聞くでも、事例のインタビューをマーケターが行うのも一つの手です。デスク上だけではなく、営業の場に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
<第二部>インサイドセールス立ち上げに必要なステップとは
第2部では、インサイドセールスのKPIの設計方法や立ち上げ方法について3人の方にお話を伺いました。
神谷 竜市氏 ベルフェイス株式会社 セールスグループ インサイドセールスチーム リーダー
神谷:インサイドセールスの立ち上げ期にはKPIを柔軟に変えられる体制づくりが重要になります。一般的には商談数をKPIにすることが多いですが、受注数や、商談化率と呼んでいる「マーケから受け取ったリードから何件商談につなげ、どのくらい受注につながったか」という指標がKPIになることもあります。ベルフェイスは6期目の会社ですが、事業やチームの状況次第でKPIを改善し続けることを大切にしています。
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阿部 慎平氏
スマートキャンプ株式会社取締役COO
阿部:全てのKPIを追うと失敗することもあるため、立ち上げの段階では一つのKPIに絞って追いかけるのがいいと思います。最初の3ヶ月は行動量を重視して、電話数、商談数を追いかける。立ち上げ期を卒業された企業の方は、案件化率、受注率などより遠いKPIを追いかけて柔軟に変更していくことが大切です。
続いて、リモートワークに伴い自宅で一人でコールをするのが当たり前となった環境で、メンバーへのフィードバックやスキルアップのために心がけていることをお聞きしました。
茂野 明彦氏
株式会社ビズリーチ HRMOS事業部 インサイドセールス部 部長 兼 BizReach 創業者ファンド パートナー
茂野:一人だけでは会話は成立しないことをメンバーによく話しています。電話の向こうには常にお客様がいらっしゃいます。お客様からの「ありがとう」という言葉をいただけるように取り組むことができると、本人自身も顧客体験も健全になっていくのでないかと思ってます。
また、メンバーに直接届かない声をどれだけ探せるかも部門長の仕事の一つです。マーケ部門やCS、営業の声を拾って社員にフィードバックをしたりと、ポジティブな面もネガティブな声も共有することを大切にしています。
神谷:ベルフェイスでは、インサイドセールスが新入社員の隣につき、OJTをすることがあります。インサイドセールスは、お客様と何をしゃべるか、事前準備の方法や自分の行動をどう管理するのかを把握する力が求められます。会社理解やトークの組み立て、自己管理の方法についてインプットするには最適な職種だと思っています。
インサイドセールスは外注できるのか、それとも内製で行った方が良いのかというトピックでは、立ち上げ期には内製で体制を整えたというビズリーチさんとベルフェイスさんの声が。お客様に対してもインサイドセールスの支援を行うスマートキャンプではどう考えているのでしょうか。
阿部:内製だけで組織を構築するのもありですが、外注を入れた方が効率がいいところもあるため、基本的には内製と外注のハイブリッドで作っていくのが良いと考えています。
例えば立ち上げで言えば、社内でオーナーシップを持ち目標に向き合っていただける方と、外部人材がセットになることでよりスピーディに立ち上げができます。
実際にインサイドセールスを行う段階では、外部人材が提供する価値も変化していきます。体制を大きな規模で、短期間で構築できることは外注の強みです。早期に5人、10人増やしたいという話にも対応することができるため、フェーズに合わせて外注企業の活用の仕方を変えながらうまく使っていただきたいと思います。
<第3部>大手vs属人化しない営業組織構築方法
第三部では、「大手vs属人化しない営業組織方法」というテーマで、大手企業とスタートアップの営業組織構築の違いや、各社が独自で取り組む営業ノウハウをお話しました。
コロナ禍で新入社員やメンバーとの対面による接触が難しい中で、どのようなオペレーションやナレッジ共有されているのかお聞きしました。
高松 萌香氏 コニカミノルタ株式会社 デジタルワークプレイス事業本部 先行事業開発部 ビジネス開発G
高松:私は2020年4月にインサイドセールスから新規事業部に異動をした際に、その事業部で開発した「COCOMITE」というマニュアル作成・共有を一括管理できるプラットフォームを実際に活用して引き継ぎを行いました。業務フローやトークスクリプトなど、インサイドセールスに関わる情報全てをCOCOMITE上に入れて、社員に共有を行ったのですが、事前に自由に情報を閲覧してもらえたことで引き継ぎもスムーズに実施することができました。
中野竜太郎氏
株式会社サイトビジット NINJA SIGN事業部 マーケティンググループ
中野:ナレッジの共有には、情報のストックを習慣づけることが一番だと思っています。弊社では顧客管理システム(SFA)としてセールスフォースを使っているのですが、情報入力には手間も発生するため、どこまで記入するかという問題がありました。現在弊社では商談を作ったり、取引先を作る際には入力規則をしっかりと設けています。社員が情報を入力しなければ取引先を作れない設計にしているため、ある程度の強制力を持ってコツコツと情報を溜める工夫をしています。
また、情報はメンバーに見える場所に出すのが一番いいと思っています。弊社ではセールスフォースのAPEXクラスを開発をしており、Slackのチャンネルに通知がいくようにしています。すると、商談情報を書いている人と書いていない人がすぐに分かるため、しっかりと記入する人が増えましたね。
出久地 旭氏
カクトク株式会社セールスマネージャー/Pro director事業部 事業責任者
出久地:新人や業務に慣れている営業の中には「情報は書かなくても頭で分かっている」と考える方も一定数いらっしゃいます。まずは、社内で情報を共有する意味を理解してもらえる環境を醸成することが大切ではないでしょうか。
弊社では事業内容や案件を細分化して共有するようにしています。日々の情報共有を行うSlackでは、社員の交流という用途も含めると70個ほどのチャンネルが存在しています。チャンネルを細分化することでプロジェクト毎に経緯を把握しやすくなりましたし、社員が日々収集した情報を気軽にシェアしあえる文化ができたという点では良かったと感じています。
セミナーの終盤では、大手企業とスタートアップそれぞれの、販売スキームの比較を行いました。受注までの業務効率化のために、各社どのような工夫を行っているのでしょうか。
高松:今担当しているのは既存ビジネスの複合機とは全く異なるサービスになり、新規で顧客を取っていく必要がありました。そのため、オンライン露出によるリード創出後、インサイドセールスで顧客ニーズのマッチを行い、営業にトスアップしてオンラインでの遠隔商談を行っています。その後30日のトライアルに誘導するのですが、期間中営業が3回以上お客様と接点を持ち、不明点の解消を行うことで顧客の温度感を高めています。
COCOMITEは小さく始めながら追加機能を追加リリースしているサービスであるため、インサイド・オンラインセールスを通じて顧客の声を拾い、開発に共有することを大切にしています。具体的には、インサイドセールスの通話内容をログに残したり、オンラインセールスに開発メンバーを同席させるという工夫をしています。
中野 :弊社の電子契約は実際に使っていただくことで価値を感じていただけるサービスということもあり、トライアルとサポートを強みとしています。顧客のデリケートな書類を取り扱うにあたり、問い合わせにすぐお答えできる体制を構築しようと新潟にコールセンターをオープンしました。トライアルは闇雲に開放しているわけではなく、課題をヒアリングした上で各社のトライアル期間の目的を定義してからご提供させていただいています。
出久地:営業人材のマッチングプラットフォームを提供する弊社では、サービスの特徴上トライアルを行わずに、リード創出からインサイドセールス、オンラインセールス、クロージングまでのリードタイムをいかに短くするかというところを意識しています。
例えば、商談後3日以内には具体的なスケジュール提案や、どのような人材が営業代行をするかを明確化してご提案しています。大体顧客の検討期間としては、商談から一週間でクローズするようなスキームです。
商談では顧客とのスケジュールを必ず共有し、なぜこのタイミングまでに意思決定してもらわないといけないのかを具体的に説明することや、受注までの期間を縮めることで速めのPDCAを回していくことを心がけています。
最後に、イベントを総括して、B to Bの極意について一言ずつお話しをいただきました。
中野:今回のセミナーに登壇した全員に共通していたのは「まずはやってみましょう」ということに尽きると思います。セミナータイトルにもある「B to Bの極意」とはKPIを改善しながら、PDCAをどれだけ早く回して行けるかではないでしょうか。
高松:コニカミノルタは大きな組織のため、スタートアップと比べると意思決定が遅い部分もあります。ですが、一つひとつのチームとしては少ない人数で構成されており、小さく動いていたことが成功に繋がってきたと思っています。いきなり大きなところから始めようとせず、小さな成功体験を積み重ねていくことが、どの分野においても組織構築の鍵になるのではないでしょうか。
出久地:まずは何をどのような目的でやっていくか、ということを明確にして大きく展開すること、また小さな意思決定をできるだけ早く行うことが大切です。地道なことではありますが、B to B組織を飛躍させるためには有効的な手段だと思います。
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