現役マーケター3名が語る自社のセールス&マーケ施策~ 営業・マーケの兼務でも、高い成果を出す方法 ~
新しい顧客を獲得しようにも、「営業とマーケを兼務していて忙しい」「目の前の業務をこなすのに精一杯で、新しい施策に取り組めない」と悩んでいる方は少なくないでしょう。特に新型コロナウイルスの影響で、これまでの営業スタイルが全く通じなくなったという会社もあるはずです。
去る1月27日、そのような悩みを解決すべく「現役マーケター3名が語る自社のセールス&マーケ施策」と題したオンラインセミナーを開催。コロナ禍でも順調に導入者数を伸ばし続けているBaseconnect社、ベーシック社、カクトク社で営業&マーケティングを担う3名が、その秘訣を語りました。
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ベーシックのマーケティング施策
株式会社ベーシック マーケティング部 インサイドセールスグループ マネージャー
元木 雄介(もとき ゆうすけ)
2015年CMS販売会社に新卒入社し、東京新卒年間売り上げ1位獲得。同社退職後、2017年ベーシック入社。BtoBのWebマーケティングツール「ferret One」に携わる。2017年からインサイドセールス、フィールドセールスを経験し、セールス部における10ヶ月連続の目標達成に貢献。2020年1月よりferret Oneのインサイドセールスマネージャーに昇進。現在はマーケティング業務、インサイドセールス推進を兼務。
ーまずはベーシックで行っているマーケティング施策について教えて下さい。
元木:私達は「ferret」というウェブマーケティングのメディアを運営しており、これまでは基本的にメディアからリードを獲得してきました。ホワイトペーパーをダウンロードしていただいた企業にアプローチして、商談に繋いでいたのです。
これまでは「サイトをリニューアルしたい方向け」や「コンサルして欲しい方向け」など、多角的にLPを作ってリードを獲得していたのですが、新型コロナウイルスの影響で受注に繋がるリードが激減しました。
そこで私達は営業の現場にヒアリングを行い、お客様のニーズを改めて深掘りしました。その結果を元に広告やLPを運用したところ、再びリードを獲得できるようになりました。マーケターが過去の成功事例に捉われず、最新のデータや営業の声などを活用したのが成功のポイントだと思います。
ー営業へのヒアリングで注意していることはありますか。
元木:3つあります。1つ目は商談中によく出る質問をテキストにまとめてもらうことです。2つ目は全ての情報は鵜呑みにしないこと。ある程度受注確度が高いリードに絞って情報を聞いています。
そして3つ目は、それぞれのリードがどのような経緯でアポをとられたのか細かく分析することです。そうすることで、「このLPからきたリードは受注に繋がりやすい」といった判断ができます。
ー他にもリード獲得の施策があれば教えて下さい。
元木:お問い合わせをした後のサンクスページから、自動でアポの日程調整をできるようにしました。コロナの影響で通電率が3分の2に減ってしまい、それに伴いアポ数も激減しました。そのため「YouCanBook.me」というサービスを使ってオンラインでアポが予約できる仕組みにしたのです。今ではお問い合わせの10-15%が自動でアポ化されるようになりました。
ただ、この方法には注意が必要です。全てのサンクスページでアポをとっていてはリソースが足りなくなります。資料ダウンロードなど、受注確度の高いアクションに絞ってアポをとるのがおすすめです。
ー少ない人数でも効率的にリードを獲得するための工夫があれば教えて下さい。
元木(ベーシック):実際に施策を実行する前に、綿密な計画を立てることが重要です。例えば闇雲にリードにコールするのではなく、1リードあたり何コールするか予め決めておきます。
1,000件のリードに3コールずつするなら、必要なのは3,000コールです。それに対して一人あたり何コールできるのか、社員と業務委託別に分けて計算します。人数が足りなければ採用しなければいけませんし、採用できなければ1リードあたりのコール数を下げなければいけません。
この時、全てのコールを均等に扱うのではなく、成約確度の高いリードにはコールを多くするなど、コール数に傾斜をつけることも重要です。
Baseconnectのマーケティング施策
Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー
菅野 隼人(かんの はやと)
新卒で入社した大手コンテンツ企業にて人事として新卒・中途採用を担当。その後Webマーケター向けのSaaS製品のカスタマーサクセスやコンサルティング業務を行い、さらにベンチャー企業にてVR・MRなどを駆使したエンタメの新規事業をプロデューサーとして推進。現在はマーケティング責任者として、販売戦略の構築からビジネスフロー全体の設計、集客施策の実施まで幅広く担っている。
ーBaseconnectのマーケティング施策について教えて下さい。
菅野:私たちも新型コロナウイルスの影響でリード獲得に苦労しました。それまではインバウンドリードからアポをとっていましたが、電話しても繋がりませんし、もともと組んでいたアポもリスケが続きました。
そこで私達が力を入れたのがメールマーケティングです。件名や地域、従業員数など様々なパターンで徹底的にABテストを繰り返しました。例えば件名の長さ、首都圏と地方どちらが反応がいいかなどの最適解を見つけていったのです。
やってみると業界によって様々な違いが見えてきました。例えば朝から稼働している業界は午前中のほうが開封率が高いですし、そうでない企業は午後に送ったほうが反応が良いことがわかりました。リンクについてもボタンにするか、URLにするかなど細かく比較しましたね。
最初は反応が悪かったものの、パターンで最適なものを組み合わせていったことで、今では平均月10アポがメールから獲得できるようになっています。メールは数時間もあれば作れるので、そこから10アポとれるのは効果的だと思います。
ーメールのABテストはどれくらいの期間で判断すればいいでしょうか。
菅野:ABテストをする時はメールを配信してから1週間で判断していました。メールが開封される多くは当時か翌日かで、3日目以降はほとんどありません。たまに1週間後くらいに開封されることもありますが、少ないので気にする必要はないでしょう。
ーメルマガを送る時は個人名で送っていますか。
菅野:会社名で送るより個人名のほうが反応が良いです。メルマガには画像は載せていませんが、プランを申し込んでくれた方に送るメールには、画像も載せていますね。「こんな人がサポートしてくれるんだ」という安心感を持ってもらうためです。
カクトクのマーケティング施策
カクトク株式会社 Pro director事業部 事業責任者
出久地 旭(でぐち あきら)
2019年3月にカクトク株式会社へ参画。ブライダル業界から人材業界へ転職し、地方拠点の立ち上げ経験などを積む。その後、デジタル業界で営業として大手企業の広告案件に携わる。カクトク入社後はフィールドセールスや、カスタマーサクセスを経験し、新規事業であるPro director事業部の事業責任者として事業立ち上げを行う。現在はカクトク株式会社の営業責任者として業務全般をこなしつつ、アライアンス関連業務、セミナー登壇など様々なポジションを担う。
ーカクトクのマーケティング施策について教えて下さい。
出久地(カクトク):私達がリード獲得のために注力しているのはメディアの運用です。営業組織づくりにフォーカスしたセールステックメディア「SALES BLAIN」と営業フリーランス・副業の働き方を紹介する「kokoroe」という2つのメディアを運営しており、それぞれ一定の流入があります。
SALES BLAINでは、営業の組織構築でうまくいっている会社を取材して、事例やノウハウを紹介しています。kokoroeでは、私達のプラットフォームに登録しているフリーランス・副業の営業の方々を紹介したり、フリーランスに必要なスキルや知識を解説しています。
ー取材を受けてもらうために工夫していることはありますか。
出久地:サービスを導入して貰う際に、事例紹介させてもらうことを伝えています。会社によっては取材を受けるのも広報から確認をとらなければいけません。突然取材を申し込んでも断られることもあるので、前もって取材する旨を伝えておくだけで取材させてくれる確率が上がりますね。
ー自社メディアを持っていない企業でも参考になる施策があれば教えて下さい。
出久地:マーケの施策にコストやリソースを割けない企業ほど、私達のメディアを参考にしていただきたいです。コストをかけずともマーケを成功させている事例も紹介しているので、自分たちで実践できる方法を探してみてください。
私達も社員数は多くないので、限られたリソースで何ができるか試行錯誤してきました。コストやリソースがなくても、工夫次第で成果を出せると思います。
ー大企業のリードを獲得するためにやっている施策があれば教えて下さい。
出久地:私達は同業他社のサービスを含めて様々な営業チャネルを活用しています。最近ではリファラルサービスや顧問サービスなど、様々な営業サービスがあるので利用させてもらっていますね。
大企業は代表電話からアプローチしても繋がれないことが多いので、ピンポイントで担当や決裁者と繋がれるのがメリットだと思います。
ベーシックのセールス施策
ーベーシックで行っているセールスの施策を教えて下さい。
元木:私達はferret Oneのセールスに求められることを言語化し、ロープレでレベル別チェックテストをしています。レベルによってアプローチできるリードも分けています。
その背景には新型コロナウイルスでセールスもフルリモートになったことが挙げられます。隣に先輩がいればセールストークなども学べますが、リモートとなるとそうもいきません。セールスのスキルを言語化することで、新しく入ったメンバーを教育しやすくなりました。
ー教育に力を入れているのですね。
元木:営業のロープレの他に、商材の理解を深めるための勉強会も開催しています。どんなにセールスの力があっても、商材の理解が乏しければ効果は半減します。サービスがアップデートなどする度に、全員参加の勉強会を開いて常に最新の情報をインプットしてもらっています。
ーIS(インサイドセールス)とFS(フィールドセールス)の役割についても教えていただけますか。
元木:私達の場合、ISとFSの他にオンラインセールスというフェーズも設けています。インサイドセールスがアポをとり、オンラインセールスが初回商談した中から、有効な商談をFSが回収しています。
なぜそのような流れにしているかというと、お客さんによってはCMSサービスの「ferret One」が必ずしも最適とは限らないからです。抱えている課題によっては、別のサービスを案内したほうが良い場合もあります。
FSのリソースを最大限有効活用するためにも、オンラインセールスでお客さんの情報や課題をあらかじめヒアリングしてからFSにパスしています。
ー業務委託の方がうまくワークするための施策があれば教えて下さい。
元木:私達と一緒にやってくれている方はフリーランスも多いので、チームとして機能するための施策を取っています。フリーランスの方は毎日出勤しないので、担当しているリードへのアプローチが遅れてしまう場合があります。タイムラグにより成約が遠のくことを防ぐため、フリーランスに共通の目標を掲げています。
結果として、Aさんのリードに対して、Aさんが出社しない時にBさんがアプローチするなどしてカバーできています。個人のリードを抱え込まないことで、全体としての成果が上がりました。
Baseconnectのセールス施策
ーBaseconnectのセールス施策を教えて下さい。
菅野:私たちはリードに優先度順位をつけて対応しています。Tier1からTier3までレベル分けしており、Tier1は「商談したい」というチェックボックスにチェックのあるリードで、社員のISが対応します。
Tier2は役職者で「1ヶ月以内にリストが欲しい」というリードです。こちらは外部の方にお願いします。外部の方にお願いするとコストはかかりますが、リアルタイムでアプローチした方が繋がりやすいため成果に繋がりやすいです。
Tier3はその他です。ここは確度が低いものの、念の為カバーするために週1で出勤している方にリストを渡してコールしてもらいます。私達はリソースが少ないので、リードによって誰がコールするかを振り分けて工夫しています。
ーISとFSの役割についてはいかがですか。
菅野:私達はBANT情報のうち、ISが2つくらい聞き出せたらFSにパスしています。4つ全てわかることは少ないので、2つくらい聞き出せて成約しそうであればFSにお願いしていますね。
カクトクのセールス施策
ーカクトクのセールス施策を教えて下さい。
出久地:私達もセールスチームは社員と社外のフリーランスの方を含めたハイブリッドな組織で構成しており、ベルフェイスとZoomを使い分けて日々営業活動を行なっています。
特にベルフェイスは教育に便利で、1.5倍再生もできるので、効率的にメンバーの営業をチェックできます。商談が盛り上がった部分にマークをつけられるなど、リモート環境であっても教育ができる機能が充実しています。
一方Zoomは複数人のミーティング時に活用することが多いですね。
ー他にも教育で注意していることはありますか。
出久地:営業の外注化にあたり、ブラックボックスにならないように注意しています。Slackを活用しテキストに残す、商談は全て録画するなど社内での情報共有を徹底しています。
今の時代は非対面の営業が主流なので、営業のログを残しておくのは必須の取り組みだと思いますね。
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