【インサイドセールス特集#03】導入社数27万社超!インサイドセールスでクロージングまで完結するChatworkの営業組織とは
編集部より

【インサイドセールス特集#03】導入社数27万社超!インサイドセールスでクロージングまで完結するChatworkの営業組織とは

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chatwork
(左から)執行役員CSO兼事業推進本部長 福田升二さん事業推進本部セールス部マネージャー 黒田康仁さん

インサイドセールスを社内に導入し、成果を出されている企業にお話を伺うインタビューシリーズ。今回はChatwork株式会社様に現況における営業体制やインサイドセールスの採用・マネジメントについて伺いました。

▼今回お話を伺った方
執行役員CSO兼事業推進本部長 福田升二さん
2004年伊藤忠商事に入社。インターネット関連の新規事業開発・投資業務に携わる。2013年にエス・エム・エスに入社。介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」や介護職向け求人・転職情報サービス「カイゴジョブ」などを中心とする介護領域全体を統括する。2018年に同社執行役員に就任。2020年4月より、Chatworkに入社し、同年7月より執行役員CSO兼事業推進本部長に就任。
事業推進本部セールス部マネージャー 黒田康仁さん
2007年からサイバーエージェントのグループ会社にて広告事業やEC事業にてゼネラルマネージャーの経験を積んだ後、2014年に株式会社エス・エム・エスに入社。医療従事者向けECサービスの事業統括や広告事業の拡大に従事。2018年2月よりChatwork株式会社に入社し、事業開発領域に携わった後、現在はChatworkのセールス部門のマネージャーを担当。

カクトクのインサイドセールス代行はこちら:https://kakutoku.jp/lp/client/insidesales

Chatworkについて

編集部:貴社概要、サービスについて教えてください

福田さん:Chatwork株式会社はビジネスチャットツール「Chatwork」を提供しています。働き方改革やリモートワークの普及に伴い、エンタープライズのみならずSMB市場でも急速に導入が伸びています。ビジネスチャットツールの黎明期からサービスを提供しており、現在の導入社数は27万3000社(2020年6月末日時点)にのぼります。

日本発のサービスとして、UI/UXが使いやすく、日本の商習慣にマッチしている点が主に評価されていますね。日本においてはトップランナーとしてビジネスができている状況です。


Chatworkサービスサイト:https://go.chatwork.com/ja/

Chatworkの営業体制について

編集部:貴社の営業体制について教えてください

福田さん:まず我々がセールスコミュニケーションの重要性をどう定義しているかについてお話しますね。

ITツールの営業と一口にいっても、例えば会計システムや電子契約等、多くのSaaSプロダクトの場合は「既存業務の置き換え」という概念が強く、顧客にとってシンプルでわかりやすいんです。既に相手側に課題がある場合が多く、一定は機能説明でセールスが出来てしまう要素が強いと思っています。

ではビジネスコミュニケーションツールはどうかというと、シンプルな「置き換え」での説明が難しいプロダクトであり、また中小企業においては課題認識がない事も多いです。

そのため、営業活動においては相手の業務やコミュニケーションプロセスを理解し、課題を認識してもらう、ソリューション的なアプローチが重要になります。

黒田さん:その上で当社の営業体制がどうなっているかというと、まず直販と代理店販売に分かれていて、直販では対面営業と非対面営業(インサイドセールス)をハイブリッドに展開しています。

直近は新型コロナウイルスの影響もあり、非対面営業がメインになっています

インサイドセールスの体制について

編集部:コロナ以前は対面営業のニーズは高かったのですか?

黒田さん:大企業では部門をまたいで話を聞きたい、という要望が多かったので、訪問で一気にご案内できる手段として対面営業は有効でしたね。中小企業については、もともと対面営業へのニーズはそこまで高くなく、すでにリモートでの商談がメインとなっていたため、コロナを契機として営業手法が大きく変化したということはないです。

編集部:完全にインサイドセールスにシフトする考えはお持ちですか?

黒田さん:そうですね、当社のメインターゲットが中小企業なので、効率的にスケールさせていくことを考えるとインサイドセールスが適していると考えています。

編集部:インサイドセールスチームの体制はどうなっていますか?

黒田さん:インサイドセールスチームは2つのチームで構成されています。

1つ目はナーチャリング、ヒアリング、アポイント獲得を目的とするパサーチーム、もう1つが成約を目的としたクロージングチームです。

インサイドセールス立ち上げ時の様子

編集部:インサイドセールス立ち上げ時の様子について教えてください

福田さん:営業における分業制が長い歴史があるものではないので、当社独自のインサイドセールス体制を作るのに苦労しました。

通常インサイドセールスは、ヒヤリング、商談設定がミッションですが、当社は対応すべき顧客の数が膨大なので、クロージングまでインサイドセールスで対応したほうが営業効率は上がります。

一人あたりが創出可能な受注数を可視化した上で、体制構築を行いました。

編集部:インサイドセールス導入後の効果はいかがでしたか?

黒田さん:ポジティブなところだと、一人あたりの商談設定数は圧倒的に増えましたね。比例して受注数も増加しました。

ネガティブな点はあまり感じていませんが、現場からは商談数が増えた分、以前と比べて準備に時間が割けなくなっている、という声が上がっています。

当社のターゲットクライアントは国内の全業種、全業界のため、課題感や提案のバリエーションが非常に幅広いんです。事前にキャッチアップした情報をまとめ、商談時にお客様の課題に対する解決策を提示するので、商談準備にはどうしても時間がかかってしまいますね。

編集部:ソリューション営業の場合は事前準備の時間も加味して一日の商談量を設定することで相対的に受注率も上がりそうですね。

利用ツールについて

編集部:インサイドセールスで利用しているツールについて教えていただけますか。

黒田さん:普段のコミュニケーションはChatwork、MAはマルケト、SFAはSalesforceを使っています。

初回接触時はCTIツールの録音機能を利用して、成果が出ているメンバーのトークを確認しています。アポイント後はベルフェイス、Zoomなど、お客様によって最適なツールを選択するようにしています。

インサイドセールスのマネジメント・採用について

編集部:インサイドセールスチームのマネジメントについて、特に意識して行なっているポイントはありますか?

黒田さん:ディテールへの口出しは最低限にしていますね。当社はメンバー自身が考えて行動できるような人材育成を目指しているので、トップダウンでやりすぎると指示待ちのメンバーが増える原因となります。

自己成長を促進する手段として、上位戦略を理解して、自分でプロセス設計をできるようになってほしいと考えています。

編集部:裁量を与え、各メンバーに自走してもらう、ということですね。その中でもインサイドセールスチーム内で決めているルールはありますか?

黒田さん:お客様の課題、当サービスに期待することを徹底的にヒヤリングするように義務付けていますね。

課題がないと言われても、それはあくまでもお客様の主観です。断片的な情報を鵜呑みにせず、こういうことはありませんか?と質問をすることで、課題に気づく場合もあります。

同じ業界の課題は潜在的に存在しているので、自ら気づいていただくことで、当サービスへの期待値を上げるようにしていますね。

編集部:インサイドセールス部門で採用するのはどのようなタイプの方が多いのですか?

福田さん:事業に対する意欲が高く、柔軟性のある若手を多く採用しています。

過去にフィールドで成果を上げてきた人がインサイドセールスで成功するかというと、そう単純にはいかないと考えています。非対面営業の場合、顧客の顔色も伺えないなかで遠隔でのコミュニケーションだけで成約まで持っていかなければなりません。

まだまだインサイドセールスの役割定義が曖昧ななか、我々の上位戦略を理解して、検証サイクルに一緒に付き合ってくれる素直さを特に重視しています。

インサイドセールスと他部署との連携について

編集部:インサイドセールスと多部署との取り組みについて教えてください。マーケティングチームとはどのように連携されていますか?

黒田さん:集客チャネルごとにクライアントの属性が異なるので、リードソース別のフィードバックを徹底しています。

通電率や商談設定率などの定量データをはじめ、このリードソースに対してはこんなお客さまが多かった、というような定性的な情報も可視化できる仕組みを作っています。

マーケティング側ではリードソースの有効性の検証ができている状況ですね。

編集部:クロージング後の他部署との連携はいかがでしょうか?

福田さん:クロージング後に限らず、インサイドセールスとCSは常に連携しています。

当サービスの特徴として、初期段階から全社的に導入するのではなく、一部の部署からスタートするケースが多くはなります。

例えば100人の会社で10人に導入してもらった場合、CSではいかに残りの90人に使ってもらえるかがミッションとなります。

提案初期からオンボーディング、また中長期の戦略に至るまで、インサイドセールスとCSは常に情報共有し連携して動いていますね。

今後の展望

編集部:最後に、貴社インサイドセールスの今後の展望について教えてください!

福田さん:正直、今のやり方はずっとは続かないだろうと考えています。当社では中小企業のDX推進を目指していますが、時代が変化するなかで営業のコミュニケーションも常に変化していくので、戦略を立てて検証し、我々も変化し続ける必要があります。

短期的には新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及や、働き方改革の流れが追い風になり、Chatworkに対する期待を日々感じることが出来ています。

規模の拡大も重要ですが、質を突き詰めていかないと、本当にお客様のニーズは叶えられないと思っています。理想的な営業体制を時代の変化に合わせて作っていきたいですね。

▼chatworkサービス詳細
https://go.chatwork.com/ja/

SALES BRAIN編集部より
現況における営業体制やインサイドセールスのマネジメント・採用に至るまで詳細にお話しいただきました。ソリューション営業やクロージング活動においても以前からインサイドセールスを積極的に活用・検証されており、この領域の更なる可能性を感じます。本特集では、インサイドセールスに本格的に取り組み成果を上げている企業を順次ご紹介していきます。次回もお楽しみに!
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