営業戦略の立て方・進め方を完全ガイド 役立つ分析方法も紹介

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営業戦略の立て方・進め方を完全ガイド 役立つ分析方法も紹介

営業を成功させるために、最も重要な「営業戦略」。どんなに資金や人員を利用しても、戦略の質が低ければ、営業で成果を上げるのは難しいでしょう。逆にしっかりと練られた戦略があれば、少ない人員でも必ず成果があがります。

今回は営業戦略について、どのように立案していけばいいのか、どのような点に気をつけなければいけないのか紹介していきます。営業戦略に自信のない方はぜひ参考にしてください。

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営業戦略とは何か

営業戦略とは、営業目標を達成するための中長期の基礎計画のこと。営業目標には売上の増大や営業エリアの拡大など様々ありますが、それをどのように達成するかの方針が営業戦略と言えます。企業の経営方針やブランディングなどとも密接に関わるため、営業戦略の立案は経営者にとっても重要な業務となります。

営業戦略と営業戦術の違いについて

営業戦略と混同されがちな言葉に「営業戦術」という言葉があります。響きは似ていますが、この2つは明確に違うため両者の関係をしっかり把握しておきましょう。

営業戦術は、営業戦略を達成するための具体的な施策のこと。例えば「売上1億円」という営業目標に対して「新規顧客を1年間で5%増やす」という計画が営業戦略です。そして新規顧客を増やすために「SNSを毎日投稿してフォロワーを1,000人増やす」「営業代行を活用する」という具体的な行動を表したものが営業戦術となります。

よく見られる間違いが、戦略なしに戦術を立ててしまうこと。施策がうまくいって成果が上がっている時はいいですが、うまくいかなくなった時に、何を基準に戦術を修正すればいいのか分からなくなってしまいます。その結果、本来の目的を忘れて目先の目標ばかり追いかけることにもなりかねません。

逆にしっかりとした戦略があれば、施策がうまくいかないときに立ち戻って、修正して次の戦術を立てられます。

営業戦略とマーケティング戦略の違いについて

営業戦略は「業績を向上させる」のが目的であり、同じ目的をもつマーケティング戦略とも似ていると捉えられることがあります。しかし、両者は目的や対象が違うため、混同しているとうまく戦略を捉えられません。

営業戦略の目的が「自社のサービスを販売して売上を上げること」なのに対し、マーケティング戦略の目的は「自社サービスが効果的に売れる仕組みを作ること」。そのため、営業戦略では顧客を対象にしますし、マーケティング戦略では市場を対象にします。

どちらがいいというわけではなく、営業とマーケティングを効果的に組み合わせることが大事なので、お互いの違いを理解しておきましょう。

営業戦略の立て方5ステップ

手順1:目標を明確にする

営業戦略は計画なので、目標というゴールがなければ立てられません。逆に言えば、目標なしに計画を立ててもそれは営業戦略とはいえないでしょう。目標を立てる時に重要なのが、具体的かつ現実的であること、そして期限を決めること。

なぜ具体的であることが必要かというと、目標を達成したかどうか明確に判断するためです。目標はただ目指すためのものではなく、達成できなかった時に「なぜ達成できなかったのか」計画を見直すためのものでもあります。

また、あまりに無謀な目標を立てると「達成できないのが当たり前」という文化が出来上がってしまいます。あまりに低い目標もやる気がでないので、どれくらいの目標が適切なのかよく考えて設定しましょう。

手順2:市場を調査する

目標を明確にしたら、今度はマーケットを調査します。自社商材がおかれている業界や市場について、ターゲット層がどんな状況に置かれているのか、どんな競合がいるのか調べてください。

例えば同じ商材であっても、競合の多いレッドオーシャンなのか、少ないブルーオーシャンなのかで戦略の立て方も変わってきます。また、市場動向によって適切な戦略も変わってくるでしょう。

市場の状況によってとるべき戦略は変わってくるので、戦略を立てる前にかならず市場の様子を確認してください。市場は流動的に変わってくるので、戦略を立てたあとも定期的に見直すことが重要です。

手順3:自社の現状を把握する

市場の状況を把握したら、今度は自社の状況を把握しましょう。自社の営業活動を数値化し、どれくらいの工数をかけているのか分析します。例えば1ヶ月にどれくらいの商談をしているのか、1社あたりにどれほどの営業時間を割いているかを集計します。営業戦略を立てる上では自社の強みや課題も把握しなければならないので、そのためにまずはデータを集める必要があるのです。

また、定量的なデータだけでなく、定性的なデータも必要です。例えば商談でどのような点をアピールしているのか、これまでどんな問い合わせやクレームがあったかも重要になります。個々の営業マンから情報を収集し、顧客のリアルな不満や提案を吸い上げることも営業戦略には非常に重要です。

手順4:営業課題を分析する

先に収集したデータを使って、自社の営業活動にどのような課題があるのか分析します。例えば自社の営業リソースを最適に活用できているか、非効率なプロセスがないのか見直してみましょう。この時点では、解決できるかできないかを考えるのではなく、思いつく限りの課題を見つけてください。

課題を列挙していくと、実は無関係に思えていた課題が因果関係にあり、Aの課題を解決するとBの課題も解決される、という関係性も見えてきます。また、抽出した課題をすべて解決しようとするのではなく、優先順位をつけて本当に重要な課題に絞って解決していくことも必要になります。

手順5:コアコンピタンスを最大化する

課題を抽出したら、今度は自分たちの武器となる「コアコンピタンス」も抽出していきます。コアコンピタンスとは「核となる専門的な能力、技術」のことで、他社と差別化できる強みのことです。コアコンピタンスをうまく使えば、競合よりも顧客を引き付けることができますし、他社に真似されにくいため優位性を維持できます。

コアコンピタンスを見つける際には、営業スタッフだけでなく、開発や製造に関わる他部署のメンバーにも話を聞いてみましょう。営業メンバーが当たり前に行っていることが、実は外から見ると立派な武器であることも珍しくありません。営業戦略を練る時は、弱みを抑えて、強みを活かせるような計画を立てることが重要です。

営業戦略の進め方4ステップ

営業戦略を立案するのも重要ですが、そのあとに運用するのも重要です。その方法についても見ていきましょう。

手順1:営業戦術を決める

立案した営業戦略を実現するために、どのような手段をとるのが最適なのか考えましょう。営業戦略が中長期的な目標に対しての計画なのに対し、営業戦術は短期間で実現可能な手段であることが求められます。

効果的な営業戦術を練るには、自社の営業リソースを分散させるのではなく、できるだけ集中することが重要です。様々な施策を一度に試すのではなく、まずは最も効果の高いであろう施策を試してみてから、他の施策を試すかどうか判断してみてください。

手順2:KPIを設定する

戦術を決めたら、今度はKPIを設定します。KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字をとったもので、「重要業績評価指標」のこと。つまりは、KPIの目標を達成したら、営業目標も達成できるという中間指標のことです。

例えば「新規開拓を月に10件開拓する」という目標であれば「100件の商談をする」がKPIになり得ます。何を指標にするかは、営業プロセスによっても異なりますが、営業目標に直結する指標を探してください。

手順3:進捗を可視化する

実際に営業戦術を実行に移してからは、進捗を可視化するようにしてください。期限が訪れて初めて目標を達成したかわかるのではなく、営業活動を行いながら常に順調に進捗しているのか確認するのです。

例えば半分の期間が過ぎたのなら進捗の50%を達成していないと、月末にも未達の可能性が高まります。場合によっては月の途中でも、戦術を見直したり、細かい微調整が必要になるかもしれません。

手順4:PDCAを回していく

営業戦略や営業戦術は一度決めて終わりではなく、状況に応じて常に改善を繰り返さなければなりません。そのために重要となるのが振り返りです。単に目標を達成したかどうかで一喜一憂するのではなく、なぜ達成できたのか、もしくは未達になったのか振り返りましょう。

効果のあった施策は続けますし、効果のなかった施策はやめるかやり方を変える必要があります。そのようにPDCAを回していくことで、よりよい戦略に磨き上げられていくことでしょう。より高速でPDCAを回せれば、それだけ戦略をブラッシュアップできるスピードも早くなります。

営業戦略に活用できる分析方法

営業戦略を練る際には分析が欠かせませんが、その時に役立つフレームワークをいくつか紹介していきます。

方法1:3C分析

3C分析とは「Customer」(市場・顧客)、「Company」(自社)、「Competitor」(競合)という、Cを頭文字とする3つの要素を使い、事業計画やマーケティング戦略を練る方法です。この3つの関係は「戦略的三角関係」と呼ばれています。

それぞれの要素を分析することで、市場の全体的な状況を把握できます。3C分析は単体で利用するよりも、他のフレームワークと組み合わせて使うことで、より細かな分析ができるでしょう。

方法2:PEST分析

PEST分析とは、次の4つの外的要因を調べることで、マクロな分析をするためのフレームワーク。

*Politics(政治):政治動向、税制、法改正など 

*Economy(経済):消費や景気動向、金利状況など

*Society(社会):トレンド、消費者志向の変容など

*Technology(技術):インフラ、IT化など

これら4つの要因は、自社ではどうすることもできない外部要因です。しかし、外部要因を知ることで、リスクを避けたり逆に追い風にすることも可能となります。逆に外部要因を無視して戦略を立ててしまうと、思わぬ理由で戦略が頓挫してしまうことにもなりかねません。必ず事前に外部要因を調べておきましょう。

方法3:5フォース分析

5フォース分析とは、以下の5つの外的・内的要因を使ってミクロ分析をする方法です。

*新規参入企業の脅威

*既存の競合他社の脅威 

*代替品の脅威 

*買い手交渉力

*売り手交渉力

これら5つの分析をすることで、競合とのパワーバランスや関係性が一目瞭然になり、自社の収益をどのように高められるのかが見えてきます。5フォース分析をすることで、自社がどのようなリスクを抱えているかがわかり、一足早く対策を打つことができるでしょう。

方法4:SWOT分析

SWOT分析は市場の動向や競合の動きといった外部環境と、自社のブランドや商品の価格、品質といった内部環境を、それぞれ「プラス要因」「マイナス要因」に分けて考える方法です。それぞれ次の要素に分かれ、頭文字をとったのが名前の由来となります。

*Strength 強み(内的要因):価格、品質やブランドとしての魅力

*Weakness 弱み(内的要因):他社と比較した自社の弱点、欠点

*Opportunity 機会(外的要因): 市場拡大や法律による制限緩和など

*Threat 脅威(外的要因):競合他社の成長や法律による制限強化など

方法5:クロスSWOT分析

SWOT分析で「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素がわかったら、今度はそれらを組み合わせてさらに細かく分析してみましょう。それぞれを組み合わせることで、以下のようなことが見えてきます。

*機会×強み:自社の強みを機会に活かして成長を目指す 

*機会×弱み:弱みを補強して機会に活かせる状態に整える 

*脅威×強み:強みを活かし脅威(競合)を避ける 

*脅威×弱み:弱みを把握して脅威を避け影響を最小限に抑える

方法6:4P分析

4P分析とは、Pから始まる「Product」(製品)、「Price」(価格)、「Place」(流通)、「Promotion」(販促)の4つを用いて自社の強みと弱みをはかる方法です。4つの項目について、それぞれ他社と比較して優位な点はあるのか、劣っている点はないか分析していきます。

それぞれ次のポイントを意識して精査していきましょう。

*商品:他社より顧客ニーズに沿っているか、デザインが優れているか

*価格:収益や他社と競合できる価格かどうか 

*流通:店舗の立地、店舗数は他社と比べてどうか 

*販売促進:広告が消費者に認知され購買意欲を生むか

営業戦略にはフレームワークも活用する

上記で紹介したフレームワークは主にマーケティングで活用されるため、あまり活用したことがない方もいるかもしれません。しかし、営業戦略はマーケティング戦略とも密接に関係するため、同じフレームワークを利用するのは当然のこと。

もしもフレームワークになれない場合は、マーケティング部と一緒に分析しながら営業戦略を立てるのも賢い戦略です。フレームワークはそれぞれ分析できることが違うので、自分たちの課題に合わせて必要なフレームワークを選んで分析しましょう。

営業戦略立案時の注意点

営業戦略を考える時の注意点を紹介していきます。

注意点1:多角的な視点でみる

営業戦略を考える時は、できるだけ多角的な視点を持ちましょう。視野が狭くなると自分たちの商品が見えなくなりますが、顧客は競合と比較しながら商品を選んでいます。顧客視点や競合との比較、社会情勢など様々な視点を考慮しながら戦略を練っていきましょう。

フレームワークをうまく使えば、それぞれの視点を整理しながら考えられるので、アイディアもまとまりやすくなるはずです。

注意点2:何度もブラッシュアップする

最初から完璧な営業戦略を作ろうとしていては、いつまで経っても実行に移せません。中にはやってみないとわからないこともあるので、実際に営業活動をしてみながら改善を繰り返していきましょう。

質の高い振り返りをするためにも、どのような項目をどのようにモニタリングするのか予め決めておくのが重要です。

まとめ

今は変化の速い時代ですから、一度作った営業戦略が通用する期間もどんどん短くなっています。そのため常に外部要因の動きに目を光らせ、戦略の練り直しが必要かどうか判断することが必要です。営業戦略を練る方は、常に広い視野を持って考える力が求められています。

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