カスタマーサクセスにおいてKPI設定はどうすべき?目標達成のためのポイントを解説

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カスタマーサクセスにおいてKPI設定はどうすべき?目標達成のためのポイントを解説

近年、事業の成功に欠かせないと注目を集めている「カスタマーサクセス」。顧客の対応をするという意味では「カスタマーサポート」と同じですが、その目的は全く違います。そしてカスタマーサクセスを成功するために欠かせないのがKPIの設定です。

今回はカスタマーサクセスのKPIの設定の仕方や、カスタマーサポートとの違いを紹介するので参考にしてください。

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カスタマーサクセスにて設定すべきKPIは?

早速、カスタマーサクセスで設定すべきKPIについてご紹介していきます。

①解約率(チャーンレート)

解約率とは、全体の顧客のうちどれくらいの顧客が解約したのかを表したもの。いかに顧客を増やしても、解約率が高ければ利益に繋がりません。そして、解約する大きな理由はサービスの成果を感じられなかったからであり、それを防ぐのがカスタマーサクセスの役割です。

解約率には、顧客数に注目した「カスタマーチャーン」と、売上に注目した「レベニューチャーン」の2つがあります。カスタマーチャーンは解約数を契約数で割ったもの、レベニューチャーンは「(単価×解約数)÷売上」で求められます。どちらも重要な指標となるので、目的に応じて使い分けましょう。

②オンボーディング完了率

オンボーディングとは、顧客にサービスを理解してもらい、定着してもらう期間のこと。「サービスの基本的な操作方法の理解や初期設定が完了し、運用が開始された」状態のことを、オンボーディングが完了した状態と言えます。

オンボーディングが完了されないと言うことは、サービスがうまく機能していない、つまり不要なコストとしてみなされ解約される可能性が高くなります。オンボーディング中の顧客のうち、何%がオンボーディングを完了したのか、その割合を指標にすることで、オンボーディング完了までの期間を短くしようという意識が働きます。

③LTV(顧客生涯価値)

LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」のことを指し、企業にとって、ある1人(1社もしくは、1契約)の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益のこと。特にサブスクリプション型のビジネスで重要となる指標です。

カスタマーサクセスの目的は、まさにこのLTVの最適化。既存顧客に契約を更新して継続利用してもらったり、商品・サービスのファンとなり追加購入をしてもらえるような取り組みが必要になります。

LTVの計算は、いくつか代表的な式がありますが、自社サービスにあった式を参考にしてください。

■一般的なLTVの計算式の例

・購入単価×購入頻度×契約継続期間

・MRR(一顧客あたりの平均月間経常収益)×売上総利益率÷顧客月次チャーンレート

④アップセル・クロスセル率

提供しているサービス・商品に複数のプランがある場合、アップセル率やクロスセル率をKPIと設定することもあります。

アップセルとは「機能のアップグレードや利用アカウント数を増加してもらうこと」です。クロスセルは「特定の商品やサービスを利用(または検討)している顧客に別の商材も購入(利用)してもらうこと」を指します。

むやみにアップセルやクロスセルを行うのではなく、顧客の求めている状態を理解した上で提案を行うことがカスタマーサクセスの上では重要となります。

⑤NPS(顧客推奨度)

NPSとは「Net Promoter Score」の略称で、サービス・商品または企業自体へのお客様の愛着度を測る指標になります。

NPSを計算する上では、まず「このサービス・商品(または企業)を知人や同僚にどのぐらい勧めたいですか?」という質問に対して、お客様に0〜10の11段階で回答してもらいます。回答結果からお客様を、0〜6は「批判者」、7〜8は「中立者」、9〜10を「推奨者」と分類していきます。

その上で、以下の計算式でNPSを算出します。

■NPSの計算式

・NPS=「推奨者の割合(%)」ー「批判者の割合(%)」

NPSは業界によって平均値が大きく異なるため、自社の業界平均や業界内の競合の数値と比較することで、顧客の満足度を把握することができます。

⑥一次応答時間

一次応答とは顧客からのお問い合わせに対する初めての応答のことで、お問い合わせフォームやメール、チャットなどの初回返信です。カスタマーサクセスにおいては、この一次応答までの時間をいかに短くするかが非常に重要となります。

カスタマーサポートツール「Tayori」を提供している株式会社PR TIMESの調査によっても、それがデータで証明されています。お問い合わせフォーム回答までの限界時間について「24時間以内が限界」と回答した割合は70.5%にも及んでいるのです。

さらに回答までの満足時間では「1時間以内」との回答が65.8%にのぼっており、一次応答までに掛かる時間は早いほど顧客満足度が向上することがわかりました。

自社商材やお問い合わせ内容の難易度によっても応答時間は変動するので、商材別やお問い合わせ内容のジャンル別に目標応答時間を定めると良いでしょう。

⑦処理時間

一時応答に限らず、それ以外の問い合わせに対する処理時間も重要なKPIとなります。たとえば電話応対であれば、通話開始から通話終了、そして後処理が完了するまでの時間が「処理時間」です。電話の平均処理時間を算出するなら、下記のような計算式で表されます。

・平均処理時間=平均通話時間+平均後処理時間

ただしKPIとして設定する処理時間は、短いほど良いというわけではありません。処理時間が短いと、顧客対応が雑になったり後処理でミスが起きたりする可能性もあるからです。自社にとって最適な処理時間の目安を見極めるよう、注意してください。

そもそも、カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、自社の商品・サービスをどのように活用すれば顧客が成功することができるかを考え、働きかけていく活動のこと。顧客に伴走して成功への道筋をつけていく役割を担っているため、顧客との信頼関係や高い専門知識が必要となります。

その目的は、先述した通りLTVの最大化。顧客に自社のサービスを使いこなしてもらうことで満足度を上げ、継続的にサービスを利用してもらったり、アップセル・クロスセルに繋げていくのです。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは?

カスタマーサクセスと混同されがちな仕事が「カスタマーサポート」です。カスタマーサクセスもカスタマーサポートも、既存顧客に対応するという点では同じですが、目的や役割など異なる部分が多々あります。

最も異なるのは、顧客に働きかける姿勢。顧客からの質問などに受動的に応えるカスタマーサポートに対し、カスタマーサクセスは能動的に顧客にアプローチして成功体験に導いていきます。

また、カスタマーサポートは単一の部署で完結することが多いのに対し、カスタマーサクセスは顧客にとって最善の方法を提案することが求められるため、マーケティング部門や営業部門とも連携も求められます。

カスタマーサポートにおけるKPI

カスタマーサポートにおけるKPIについても、代表的なものをご紹介していきます。ひとつめは課題解決率。受け付けた問い合わせが最終的にどの程度解決したかを割合で表現します。目標は100%ですが、カスタマーサポートが回答できないような無理難題が寄せられる可能性もあるため、集計対象を明確に定義しておきましょう。

2つ目は課題応答時間。課題に応答するまでにどの程度の時間が必要になったのかを示します。

カスタマーサクセスのKPIの設定方法

カスタマーサクセスのKPIを設定する方法を、ステップを踏んで見ていきましょう。

①KGIの設定

KPIを設定するためには、まずKGIの設定が必要になります。KGIは「重要目標達成指標」のこと。つまり、KPIを達成した先にある「最終的なゴール」を意味します。

企業として、カスタマーサクセスにおける「最終的なゴール」が、どのような状態になるのか明確にしていきます。KGIが曖昧なままだとKPIを設定することができないため、重要なステップとなります。

明確な時期や判断基準を定めるのはもちろん、達成可能な具体的な数値を設定するのが重要です。

②現状の把握

KGIを設定して、カスタマーサクセスの理想の状態を定義づけたら、それに対して何が不足しているのか現状を把握しましょう。現状を把握することで、KGIを達成するためのプロセスが見えてきます。

その際に競合他社や同業界の類似事例を参考にするのもおすすめです。KPIは業界やビジネスモデルによっても異なるため、似たようなビジネスを参考にすることで、自社にどのようなKPIが適切か分かってくるでしょう。

③KGIをもとにKPIを設定する

KGIと現状を比べてみて、どこが最も重要なポイントになるか検討してみましょう。そのポイントを数値化したものがKPIとなります。重要なポイントは一つとは限らず、場合によってはKPIを複数設定する場合もあります。

ただし、あまり多くのKPIを設定すると、どのKPIに注力すればよいか集中できなくなり、実現性が低下するおそれがあります。本当に重要なポイントだけに絞ってKPIを設定しましょう。

カスタマーサクセスのKPI達成のためのポイント

カスタマーサクセスのKPIを達成するためのポイントをご紹介していきます。

自社の商材にあったKPIを設定する

KPIはサービスの内容によっても適切な指標が変わります。そのため、自社が提供しているサービスがLTVに大きく影響している指標をKPIとして設定し、組織で追うことが大切です。

競合他社を参考にするのもいいですが、ビジネスの強みが変わればKPIも変わるため鵜呑みにしてはいけません。しっかりと仮説を立てながら自社にあったKPIを検討しましょう。仮説をきちんと立てていれば、間違っていた場合も見直しやすくなります。

PDCAが回しやすい指標を設定する

KPIの達成度を判断するためには、定量的に分析できなければなりません。そのため、KPI項目は、定量的に判断できる数値を設定しましょう。また、数値化できるKPIは分析しやすいため、PDCAも回しやすくなります。

設定したKPIは定期的に数値化できる仕組みを作り、分析を行い、カスタマーサクセスの取り組みを振り返りましょう。

他部門と顧客情報を連携する

カスタマーサクセスの取り組みは、解約率の改善や売上継続率の向上、アップセルやクロスセルの提案など、部門内のみで対応できるものばかりではありません。営業活動やマーケティング施策が必要となる場合も多く、商品・サービスによってはシステムの改善が必要な場合も多くみられます。

そのため、カスタマーサクセスのKPI達成のためには、他部門との連携を密にして取り組む必要があります。顧客のニーズを理解して、他部門と情報を共有して顧客を成功に導きましょう。

ツールを活用し、顧客状況を把握する


カスタマーサクセスを成功させるには、正確に顧客状況を把握しなければなりませんが、それを手動で行うとなれば膨大な業務量となってしまい、ミスが発生するリスクがあります。そのような状況にならないためにも、うまくツールを活用しましょう。

カスタマーサクセスツールは様々な種類があり、必要に応じてそれらを組み合わせて導入するのがおすすめです。そのためには、自分たちのカスタマーサクセスの仕組みで、どのようなツールが必要なのか明確にしておきましょう。

まとめ

カスタマーサクセスはデータをもとに、緻密に行っていく業務が数多くあります。そのためにツールは必須ですが、いきなりツールを使いこなすのは難しいでしょう。ツールを導入してカスタマーサクセスを効率的に運用したい方は、ぜひ外部リソースの利用を検討してください。

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