ベルフェイス営業責任者が語る、変化していく営業市場の未来
編集部より

ベルフェイス営業責任者が語る、変化していく営業市場の未来

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新型コロナウイルス感染拡大を機に、従来の足を運ぶ営業スタイルからオンラインを活用した営業手法を取り入れる企業が急増しました。今回は国内No.1のオンライン営業システムを提供するベルフェイス株式会社営業責任者の岩田さんに、カクトク株式会社セールスマネージャーの出久地が、この一年の変化や今後の営業市場について伺いました。

ベルフェイス株式会社 グロースビジネスグループ セールスディビジョン
ゼネラルマネージャー 岩田恭行(いわた・やすゆき)
リクルートでIT製品情報メディアの広告営業からキャリアをスタートし、営業マネジメント業務を経験したのち、セールスフォース・ドットコムにてSFA・CRMを提案するインサイドセールスとフィールドセールス に従事。その後、BtoBセールス&マーケティングのコ ンサルティング会社の立ち上げに参画し、執行役員兼コンサルタントとしてさまざまなプロジェクトを担当。2019年12月より現職。

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コロナ前後の営業現場の変化

出久地:まずは貴社概要、サービスについて教えてください。

岩田:私達は創業5年目のスタートアップで、オンライン営業に特化したツール「ベルフェイス」を提供しています。ツールの提供と併せて、「そもそも非対面の営業ってどうすればいいの?」「組織にどう取り入れればいいの?」という悩みに対してのサポートも行っています。

出久地:ツールの強みについて教えてください。

岩田:私達のツールの強みは、電話とネットに繋がるデバイスさえあればすぐにオンライン営業が開始可能である、接続の利便性です。一般的な社内会議システムのように、アプリをインストールしたり、URLを発行する必要はありません。

最初にお客様にベルフェイスのサイトに訪れてもらうか、SMSに送信したリンクをクリックしていただきます。そこに表示された番号を電話で伝えてもらうだけで、オンライン商談を開始できます。営業資料の共有や録画をはじめ、オンライン営業に必要な機能が全て揃っています。

回線は最も安定している電話を使っているので、音声トラブルの心配もありません。

出久地:コロナ前後でツールの売れ方に変化はありましたか?

岩田:ツール自体へのお引き合いと併せて、ウェビナーやコンサルティングのお問い合わせが増えました。これまで3,000社にツールを導入していただいているので、どのように営業のオンライン化を支援してきたのか、という内容をご質問いただくことが多いですね。

ツール以上に、カスタマーサクセスの側面の期待が高まっているように感じます。

出久地:顧客層の変化についてはいかがでしょう。

岩田:顧客層は大きく変わりました。コロナ前はITや人材、広告といった業界からの問い合わせが多かったのですが、これらの業界は営業する側もされる側もITツールを使い慣れているため、会議用ツールなどでも十分に営業ができるケースが多いです。

コロナ後に問い合わせが増えたのは、不動産や金融といった業界ですね。これまでは対面営業が前提だった業界なので、ツール導入以前に「どうやってオンライン営業を取り入れたらいいか」というご相談をいただくことが多いです。

出久地:対面営業が主流だった業界にも意識の変化があったのですね。

岩田:商談数の減少や既存の営業手法が取れなくなったことにより、新しい営業手法を取り入れなければいけないという危機感からだと感じています。今の時代は訪問するのはもちろん、新規電話もかけにくい状況です。そのような中でも営業を続けるために、試行錯誤されている印象を受けています。

しかし、未だ進むべき道や取り入れるべきニューノーマル手法に悩んでいる企業もいらっしゃいます。導入を検討した結果、先送りにする企業も多いですね。

出久地:業界によって営業のDXの差はありそうですね。

岩田:そうですね。デジタル化よりも単純に営業リソースを増強する方向に舵を切っている企業も見受けられます。

コロナによって商談数が減った企業が、生産性を高めるのではなく、さらにリソースを投下することで商談数を確保しているようです。このご時世では採用も難しいので、営業代行を活用する企業は増えていますね。

営業のDXに成功する企業とは?

出久地:営業のDXに成功した企業とそうでない企業の違いは何でしょうか。

岩田:経営層の方や、部門責任者の方の意思や危機感の強さの差はひとつ感じるところではあります。受注企業の分析をしたところ、コロナショックが起きてから成約したのは経営層や部門責任者の方との商談か、それらの方から指示された商談だけでした。

営業のDXに限らず、このような状況下で営業が変化していくには経営目線や危機意識が必要だと感じます。

例えば訪問数や商談数がKPIになっている場合、KPIを達成するために対面営業にこだわるケースが少なくありません。しかし、状況が変わればKPIを設定し直す必要がありますし、経営目線で考えていれば別の手段を検討しても良いはずです。

出久地:対面営業にこだわっている企業がオンライン営業に切り替えない理由はどうお考えですか。

岩田:「空間を共有している」というエモさを大事にしているのではないでしょうか。しかし、対面営業が必ずしもお客様にとってベストであるとは限りません。もちろん営業にとってエモさが重要になる時もあるので、そのような時は対面、効率性を重視する場面ではオンライン、と適宜使い分けられると良いのではと思います。

LTVの最大化に向けてコンサルティング営業へ

出久地:コンサルティング営業に注力されているとのことですが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

岩田:カスタマーサクセス(CS)の知見を営業に取り入れるようにしました。潜在的な課題に踏み込んで提案をするようにしたのです。

多くの企業がオンライン営業のために問い合わせをしてくれますが、その根本には経営的課題が潜在的に存在しています。これまではツールを導入してからCSがそのような課題に切り込んでいたのですが、今はセールスの段階から切り込むようにしています。

出久地:セールスのKPIも変わりそうですね。

岩田:そうですね。目先の売上よりも、LTVの最適化を追うようにしました。そのために「決裁者の合意の上での導入」「組織全体への導入」この2つを成約の条件としています。

オンライン営業のこれから

出久地:一緒にお仕事をさせていただくなかで、御社の営業組織は「成果にコミットする」という姿勢がかなり浸透しているように思いました。

岩田:私達は「ヒラメ筋」のCMをしているので、いわゆる体育会系のような組織を否定しているように見られますが、私自身もずっと体育会系の現場で営業をしてきましたし、そのような姿勢を否定しているわけではないんです(笑)

むしろ、成果にコミットする営業組織こそ、私達のツールは適していると思います。直接訪問するよりもオンラインのほうが商談数は増やせますし、ツールの機能をうまく活用し組織にもしっかりと定着させることができれば成約率を上げることも可能だと思います。

出久地:ベルフェイスは営業していて嬉しい機能が充実していますよね。特に録画した映像から、会話が盛り上がった部分を可視化してくれる「しおり機能」は本当にすごいと思います。

岩田:しおり機能を使えば、他の人の営業の様子を見るときに、効率的に学べますからね。ベルフェイスでは社員の営業の様子は誰でも見られるようにしているので、調子のいい社員の録画はみんな見ていますね。

これまでは上司がメンバーの営業を見るには同席するしかありませんでしたが、録画しておけばいつでも好きな時に何度でも見られます。ツールのおかげで新入社員は他の人の録画を見て勝手に育ってくれます。

マネージャーにとっては、それだけでもありがたいですよね。組織が大きくなると教育にも苦労しますが、環境さえ整っていれば社員たちは勝手に成長してくれます。

出久地:最後にこれから思い描く未来についても教えて下さい

岩田:直近で取り組みたいのは、「営業を受ける側が正しい情報をストレスなく、スムーズに受けられるようにすること」です。

徐々にオンライン営業が広まっていますが、営業を受ける側の状態によって失敗している商談も少なくありません。例えば営業を受ける側がツールを使いこなせなかったり、通信環境が悪くて音声トラブルが起きてしまうような状況です。

そのような状況を限りなくゼロにし、スムーズに営業を受けて購買ができる環境を作っていきたいですね。急激な社会環境の変化により購買行動も変化している中で、我々が貢献できる目先の領域はそこだと考えております。

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