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インターネットの普及により、誰もが簡単に情報にアクセスできるようになった今、テレアポや飛び込み営業のような手法で顧客を獲得するのは難しくなってきました。そのような背景の中で求められているのが、オウンドメディアやネット広告を活用したインバウンド営業。
今回はインバウンド営業にどのようなメリット・デメリットがあり、どうすれば効果的な営業が可能なのか紹介していきます。
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インバウンド営業とは、見込み顧客に対して有益な情報を提供し、顧客が自ら問い合わせをしてくれるように促す営業手法のこと。インバウンドとは「外側から内側へ」という意味があり、顧客(外側)から自社(内側)に対して働きかけるような方法です。
古くから新聞や雑誌の広告、CMなどで行われてきましたが、現在はインターネットの普及により効率的な営業ができるため大きな期待を集めています。顧客目線で既にサービスに関心を持っている企業や消費者に営業することから、信頼を得やすい営業手法といえるでしょう。
インバウンド営業に近い概念に、インバウンドマーケティングというものがあります。その違いは営業をするかどうか。インバウンドマーケティングはファンを作り、自動的に商品やサービスが売れていく仕組みを作ること。そのため、インバウンド営業のように、問い合わせに対して商談をする必要がありません。
インバウンド営業では、商談を通して成約に導くステップを介するものの、向こうから動くように促すという取り組みは同じです。そのため、インバウンド営業を成功させるには、マーケティングスキルが必要となります。
インバウンド営業とアウトバウンド営業は、その手法の違いから成功に必要な考え方も違います。アウトバウンド営業では、自分たちがアクションしなければ成果が生まれないため、どれだけアクションできるかが成功の鍵となります。「営業は行動量」と言われるのは、まさにアウトバウンド営業を表した言葉と言えるでしょう。
一方でインバウンド営業は、何よりも質が重要です。どんなに動画や広告を配信しても、それがユーザーのニーズに響かなければ意味がありません。ユーザーが求めていることは何か、それに対してどのようにアプローチすればいいのか、考え抜くのがインバウンド営業の仕事だと言えるでしょう。
インバウンド営業に取り組むことで、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
営業の成果は営業のコアタイムに比例しますが、実はアウトバウンド営業はほとんどコアタイムが取れません。資料作成やテレアポのためのリスト作りなどの業務が多いため、本当に重要な業務に集中できないのです。
一方でインバウンド営業は、問い合わせのあった顧客に絞って商談できるため、コアタイムを多く取れます。そのため成約率も高く、効率的な営業手法と言えるでしょう。
アウトバウンド営業では、商談を増やすことに集中するあまり、商談の時間が取れずに提案の質が下がるという問題が起きがちです。商談の設定と準備のバランスが難しく、頭を抱えている営業担当者も少なくありません。
一方で、インバウンド営業では、顧客がどんなニーズを抱えているのか深く洞察していきます。その結果、商談時の提案でも相手のニーズに即した質の高い提案ができるようになるのです。商談の設定と準備をほとんど同時に行えることも、成約率を高める要因となっています。
アウトバウンド営業では、自社の商品やサービスを知らない人に対して提案をしなければならないため、まずは関係構築から入らなければなりません。それは、商品やサービスの説明をするよりも難しく、高い営業スキルが求められます。
一方でインバウンド営業では、既に商品やサービスを知っており、ニーズがあることも分かっている段階から商談をスタートできます。そのため、アウトバウンド営業に比べて営業スキルが求められず、比較的経験の浅い方でも成約させることができるのでしょう。
LTVとは顧客生涯価値のことで、顧客が解約するまでに会社にもたらす収益のことです。どんなに契約をあげられても、すぐに解約されていては会社は儲かりません。それぞれの顧客にできるだけ長く契約してもらうことが重要です。
インバウンド営業では、顧客自ら問い合わせをくれるため、信頼関係が築きやすく、継続して製品やサービスを利用してくれる確率が高くなります。長期間に渡って契約してもらえることで、積み重ねで顧客を増やしていくことが可能です。
様々なメリットのあるインバウンド営業ですが、デメリットや注意点もあるので気をつけましょう。
インバウンド営業はとにかく資金が必要です。例えば広告を作るにしても、広告枠を買うにもお金がかかるため、資金のない企業では難しいでしょう。また、すぐに成果がでることは珍しく、地道に調整しながら成果に繋げていくため、長期間に渡ってコストがかかる場合があります。
比較的資金がかからない方法にオウンドメディアがありますが、成果が出るまでの時間がかかります。地道にコンテンツを発信しなければならず、そのコンテンツを作る人件費などを考えれば、やはり資金力が必要だと言えるでしょう。
インバウンド営業を成功させるには、マーケティングスキルが欠かせません。そのため、これまでアウトバウンド営業だけをしてきた会社が、いきなりインバウンド営業をしようとしても、結果を出すのは難しいでしょう。
マーケティングの経験者を採用したり、コンサルティングを依頼する必要があり、始めるためのハードルがあるので注意しましょう。
インバウンド営業にどのような手法があるのか、具体的に見ていきましょう。
最も分かりやすくハードルが低いのが、ネット上でWebコンテンツを配信していくこと。最近はブログやSNSが普及しており、うまくユーザーの目に留まれば、拡散されて短期間で認知度を高めることができます。
しかし、競合も多いため、戦略なしに始めても埋もれてしまって成果には繋がりません。「若い社員にSNSを任せておけば大丈夫だろう」と甘く考えずに、プロに依頼するか、しっかり学んでから始めなければ、無駄になるリスクも多いにあります。
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のことで、つまり自分たちが発信したコンテンツを、検索上位に表示させるための取り組みです。例えば、過去に発信した記事の内容を見直して、競合の記事より情報がリッチになっているか、最新情報に更新されているか確認します。
Webコンテンツは一度発信したら終わりではなく、修正を繰り返してより上位に表示されるようにしなければいけません。新しい記事を発信しながら、過去の記事をリライト(修正)していくことが、SEO対策の基本となります。
セミナーや展示会を開催するのもインバウンド営業の一つですが、開催したままにしていては意味がありません。イベント参加者と名刺交換をし、イベント終了後にはメールマガジンなどを発信していくことで成果に繋がります。
イベントに一回参加して成約に至るケースは珍しく、イベントが終わってからいかに関係を構築していけるかが重要な鍵となるでしょう。メールマガジンで情報提供をしたり、別のイベントにも参加してもらうことで、接触回数が増えて成約に至る確率が格段に上がります。
インバウンド営業を成功させるために、どのようなコツがあるのか紹介していきます。
営業活動をしていると、見込み顧客であるリードの「数」についついフォーカスしがちです。しかし、どんなにリードを集めても、その質が低ければ成約に繋がる可能性は低く、無駄が多くなってしまいます。
本当に自分たちが求めているリードはどんなリードか見極め、質の高いリードを集めるのがインバウンド営業のコツです。質の低いリードを100件集めるよりも、質の高いリード10件を集められるような施策を行いましょう。
リードの質を高め、獲得したリードをスムーズに成約に導くために重要なのが「カスタマージャーニー」の設計です。カスタマージャーニーとは、ターゲットの行動や感情の動きを想定し、時系列に沿って整理したもの。
どういう提案をすれば、リードはどう感じてどう行動するのか。それを見越しておけば、再現性高く適切な対応ができ、自分たちも相手もストレスなく次のアクションに移れるでしょう。カスタマージャーニーは一度作って終わりではなく、運用しながら改善を繰り返していくことが重要です。
インバウンド営業を成功させるには、見込み客の課題やニーズを深く洞察する必要があるため、ひときわヒアリングが重要です。どんな課題を抱えているかも重要ですが、どれくらいの予算で、どんなスケジュールで動いているかなど、成約に必要な情報も聞き漏らしてはいけません。
誰が決済者で、社内の組織構造がどのようになっているのか把握しておけば、どんな情報を渡しておけば社内調整がしやすいかも分かってくるはずです。
相手からの問い合わせであっても、提案の内容がよくなければ成約には至りません。上記のヒアリングで聞き出した内容をもとに、相手の課題に即した提案をしましょう。
大事なのは、商品やサービスの説明をするのではなく、なぜ相手の課題が解決されるのか論理的に説明すること。課題が解決されるイメージが明確に分かれば、高い確率で成約することができるでしょう。
インバウンド営業は、テレアポや飛び込み営業がしづらくなった現代に適した営業手法です。マーケティング的な考え方が必要なため、これまでアウトバウンド営業にキャリアを捧げてきた人にとっては戸惑いがあるかもしれませんが、これから欠かせないスキルとなっていくでしょう。
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