スタートアップの営業戦略の立て方。営業代行を活用する企業も増加?
事業を立ち上げて間もないスタートアップにとって、売上の基盤を作るための営業活動は欠かせません。しかし、リソースのないスタートアップが、大企業のように営業してもうまくいく可能性は限りなく低いでしょう。どんなにいい商品・サービスを開発しても、営業がうまくいかなければ事業の成長は横ばいです。
今回はスタートアップの営業戦略について、その必要性や考え方を紹介していきます。大企業との違いや営業を加速させるための方法も紹介するので、営業戦略立案の参考にしてください。
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大企業とスタートアップの違い
営業をしていくにあたって、大企業とスタートアップの違いを挙げるとすれば「リソースの差」に集約できるでしょう。一言にリソースといっても、人材だけでなくこれまでの顧客情報やそれに裏打ちされたノウハウなども含まれます。
それぞれ、どのような違いがあるのが見ていきましょう。
営業人材
豊富に営業人材がいる大企業に対し、数人で営業を行わければいけないのがスタートアップ。人海戦術など、人手がいなければできない営業活動ができる大企業と、スタートアップが同じ戦略をとれるはずがありません。
「A地区の全ての飲食店に飛び込みを営業をかける」という非効率な営業も、大人数でやれば競合他社はひとたまりもありません。しかし、少人数で営業するしかないスタートアップは少しでも無駄を削り、大企業の隙をついた営業をする必要があるのです。
過去の顧客情報
大企業ともなれば、これまでの歴史における営業活動の膨大なデータがあります。それらのデータをもとに戦略を立てることで、個人の営業力に頼らない営業手法で安定した成果が得られます。
また、顧客情報があるということはアプローチをかけるツテも多くあるということ。既存顧客が多ければ、それだけ顧客を紹介してもらえる可能性も高くなります。過去のデータはそれだけでも営業における大きな武器になるのです。
一方でスタートアップはこれから顧客のデータを集めていかなければなりません。自社の商品やサービスがどういう業界、どれくらいの規模の会社のニーズにマッチするのか、どういう打ち出し方が効果的なのか検証していく必要があります。データに裏打ちされたノウハウを確立させるには短くとも1年、長ければ数年は要することでしょう。
スタートアップに必要な営業戦略
営業を成功させるには戦略が欠かせませんが、スタートアップはゼロから戦略を立てていかなければなりません。資金に余裕がないスタートアップにとっては、一刻も早く営業を始めたいかもしれませんが、闇雲に飛び込みを営業をして顧客が見つかるはずがないからです。
少ないリソースを無駄なく、最大限活用できる戦略を練るには何度も戦略を練り直す覚悟が欠かせません。何度もテストを繰り返しながら、自分たちにあった営業スタイルを作り出していきます。一度うまくいって完成ではなく、商品や組織の変更に合わせて何度もブラッシュアップしながら常に改良を重ねていきましょう。
では、営業戦略を組み立ていくためにどのような情報が必要なのか見ていきましょう。
市場調査
市場の把握なくして営業の成功はありません。自分たちの商品・サービスを売る相手が何を求めているか分からなければ、安定的に売り続けることは不可能でしょう。革新的なサービスであれば、その目新しさから顧客が集まってくることもあるかもしれませんが、長期的に売上を伸ばしていくためには、市場の次のような項目を調査・分析してください。
市場規模:市場規模を調べることで、将来的な売上の予測が立てられます。大きな市場ほど競合も現れやすくなりますし、逆に競合がいないということは魅力的な市場ではないのかもしれません。市場規模が分かれば、アプローチすべき市場の優先度を決められますし、売上予測が分かることで投資の見込みもたちます。
顧客分析:アプローチする顧客について徹底的に分析しましょう。法人営業なら、顧客となりうる企業を細かく分析し、ペルソナを明確にします。想定顧客をいくつかのグループに分けて、優先度や効果的なアプローチ方法を考えていきます。
競合分析:市場にどんな競合がいるのか調べます。競合とは同じような商品・サービスを提供している企業だけでなく、同じ課題を解決しうる商品・サービスを提供している企業すべてを含みます。競合に対し、自分たちは何が優れているのか明確にするのも重要です。
市場調査は会議室だけで行っても意味がありません。仮説を立てるのは重要ですが、その裏打ちを取るためにも想定顧客などにヒアリングするなどして、情報の信頼性を高めるのも重要です。不確かな情報はかえって営業の邪魔になるため、どうやって確かな情報を集めるのかも意識しましょう。
目標数値
営業をはじめるにあたって、目標数値を立てるのは欠かせません。営業活動の成果は売上に大きな影響を与えるため、営業目標がないということは将来の売上が全く見えないということになります。
逆に営業目標を決める前に会社の売上目標を決めましょう。営業目標は売上目標から逆算して決めていきます。一口に営業目標といっても「総売上目標」「商品販売数」「顧客獲得数」など、いくつかの項目を決めておくのがおすすめです。
極端な話、ある企業が大量に発注して売上目標を達成できたとしても、1社に売上を依存するのはリスクが高すぎます。売上と共に顧客数や見込み客数などの目標を決めておくといいでしょう。
また、売上目標だけを決めても具体的なアクションは起こせないもの。大きな目標に対してKPIやKGIを決めて、進捗がわかるようにしておきましょう。例えば「商談数」や「資料の問い合わせ数」など成約の前段階の目標を決めておくことでスムーズに営業活動を行えます。
スタートアップにおける営業の仕組み
スタートアップはリソースが少ないために、少しでも営業を効率化しなければいけません。これまでのように「テレアポ→商談」や「飛び込み」というスタイルでは、どうしても無駄が多くなっていしまいます。営業を効率化する方法はいくつかありますが、その中でも特に意識したいのがマーケティングとの連携です。
これまでは営業とマーケティングは別々の組織、戦略で行うのが基本でした。しかし、どちらも目的は「顧客の獲得」。本来なら連携して戦略を練り、お互いに情報を共有しながら施策を進めていかなければなりません。現在、多くのスタートアップが営業とマーケティングを連携させて、効率的な営業活動を目指しています。
営業組織がマーケティング組織と連携される上で気を付けなければいけないのは「数字で考える文化」です。マーケティングが数字によるデータで行われるのに対し、営業活動はこれまで経験や根性などが重視されてきました。そのままの意識で連携させても、うまくコミュニケーションがとれるはずがありません。
無駄のない営業活動をするためにも、まずは営業組織に「数字で考える文化」を作っておきましょう。営業活動を数値化することで、スタートアップの少ないリソースでも十分な成果を期待できるはずです。
営業とマーケティングの連携については、こちらの記事も参考にしてください。
SaaSの営業・マーケ戦略の立て方とは?ラクスル中野さんに聞いてみた
外部パートナーを賢く活用する
スタートアップは営業リソースが足りないと紹介してきましたが、リソースを拡大するために一から営業人材を採用するのはリスクが高すぎます。
大企業であればブランドやノウハウがあるため、ある程度営業経験があればそこそこの成果が挙げられます。しかし、スタートアップにはブランドもなければ、確立されたノウハウもありません。そのため、自分でノウハウを作り出していけるような人材しか活躍するのは難しいのです。
営業人材の採用に苦戦しているスタートアップにおすすめなのが営業代行の活用。その名の通り、営業を代行してくれる会社のことですが、会社の課題によって依頼の仕方は様々。
例えば、社員を商談に集中させるためにテレアポだけをお願いする場合もあれば、営業のノウハウがないために一緒に営業戦略の立案からお願いするケースもあります。報酬体系も荷電一件に対して報酬が発生する場合も、アポ一件につき発生する場合、アドバイザリーとして毎月固定の報酬が発生するパターンも。
様々な営業代行会社の中から、自社に合った会社を探してみましょう。ただし、いい代行会社と出会えたからといって、営業を丸投げしてうまくいくわけではありません。営業を依頼する側の取組によっても、営業代行のパフォーマンスは大きく変わるため、どういう付き合い方をすればいいのか学びましょう。
営業代行とのいい付き合い方を学びたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【ベルフェイス事例紹介】商談数増加のためにカクトクを活用。外部の営業人材を活用するメリット・デメリットとは
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