【イベントレポート】「リモート営業」成功の秘訣。SalesTechのプロたちが実践している取り組みとは

【イベントレポート】「リモート営業」成功の秘訣。SalesTechのプロたちが実践している取り組みとは
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新型コロナウイルスの影響でビジネスにおいてもソーシャルディスタンスを求められる中、リモート営業の導入を余儀なくされた企業も多いのではないでしょうか。本来であれば営業効率を上げてくれるリモート営業ですが、急な導入により商談創出や確度を上げるのが難しくなったと感じている方は少なくないはずです。

去る10月15日、そのような悩みを解決すべく「toB営業のデジタル化を成功に導く『リモート営業力UPの秘訣』」と題したセミナーがオンラインで開催されました。「インサイドセールス」「オンライン商談」「メールマーケティング」「営業外注化」の4分野のスペシャリストが、オンラインでの営業力を上げるための工夫や失敗談を座談会形式で語りました。

今回はその様子をダイジェストでお届けします。

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「1週間後のアポはとるな」リモート営業のNG行為

まずは「リモート営業におけるメリットと失敗談」をテーマに、各社が事例を交えて語りました。

石川 太郎氏(ラクス):リモート営業による最も大きなメリットは、メンバーの教育がしやすくなったことです。従来の営業スタイルでは、先輩の商談に同行・同席するのに時間的な制限がありました。しかし、オンラインの商談であれば簡単に同席できますし、商談の様子を録画して後から見ることもできます。リモート営業を始めたことで、格段にメンバーを教育しやすくなりましたね。

一方で失敗談としてWi-Fi環境が不安定で、映像が止まったりすることが挙げられます。また、手軽に商談ができる代償として、リスケされる確率も高くなりました。どうすればリスケされないか、訪問営業のときよりも意識するようになりましたね。


石川 太郎 株式会社ラクス FOクラウド事業本部 MC事業部 配配メールBridge プロダクトオーナー 兼 営業マネージャー
2014年にラクスへ入社し、営業としてメールマーケティングサービスを約1000社以上へ運用提案、400社以上へ導入。 営業チームリーダーを経て2017年よりマーケティング部門に異動し年間50本以上の共催セミナー/展示会の企画・運営を担う。現在は配配メールBridgeの営業から市場調査・ターゲティング・ 新機能立案など製品企画に従事している。
https://www.hai2mail.jp/feature/bridge.php

村上 秀行氏(ベルフェイス):これまでリモート営業を取り組んできた数々の企業を見てきて、リスケされる傾向が分かってきました。訪問営業の時のように、1週間後のアポをとると、リスケされる確率はグンと上がります。そのため、リモート営業の際には基本的に翌日、できるなら当日中にアポをとるのがおすすめです。商談後の契約に関してもできるだけ時間をかけず、商談中に導入意思をもらってサインをもらえるといいですね。

私達はラクスさんとは逆に、メンバーの教育に失敗談があります。これまで社外の方にリモートで営業することはあっても、社内の研修をリモートで行うことはありませんでした。コロナ禍で新たなメンバーへの研修もリモートで行う必要があり、メンタル面のケアなど細かいところまで行き届かなかったように感じます。

村上 秀行 ベルフェイス株式会社セールスグループ マネージャー
新卒よりブライダル業界で現場職、マネジメント職を7年ほど務め、さらに同社で業界特化型SaaSの企画・開発に2年従事。2018年12月からベルフェイスにてカスタマーサクセス(オンラインセールスコンサルタント)として250社近くの企業さまを支援。特にBtoCオンライン接客に関しては多数の企業さまでスキーム設計を実施。現在はセールスへ転属し、同部門のマネージャーを担当。
https://bell-face.com/

出久地 旭氏(カクトク):私達もラクスさんと同様に、リスケ率の上昇に悩みました。「訪問したいのですが、コロナ禍ですのでオンラインでお願いします」と言って連絡がつかなくなったケースも少なくありません。

一方でメリットに感じたのは、1日の商談件数が増えたことです。移動時間がなくなったことに加え、オンラインだと一回の商談が30~45分に短縮されたので、それまで1日に5商談すれば多かったのが、7商談以上するのも可能になりました。

営業効率は上がったので、それを活かすためにもアポを取る際にしっかりクライアントを掴んでおく作業が重要ですね。


出久地 旭 カクトク株式会社セールスマネージャー/Pro director事業部 事業責任者
2019年3月にカクトク株式会社へ参画。ブライダル業界から人材業界へ転職し、地方拠点の立ち上げ経験などを積む。その後、デジタル業界で営業として大手企業の広告案件に携わる。カクトク入社後はフィールドセールスや、カスタマーサクセスを経験し、新規事業であるPro director事業部の事業責任者として事業立ち上げを行う。現在はカクトク株式会社の営業責任者として業務全般をこなしつつ、アライアンス関連業務、セミナー登壇など様々なポジションを担う。
https://kakutoku.jp/lp/client

有馬 康平氏(SALES ROBOTICS):オンライン営業になって、一番メリットに感じているのは「チーム戦がしやすくなったこと」です。教育ももちろんですが、営業の途中にカスタマーサクセスなど別の部署の人に話してもらう機会を作りやすくなりました。訪問するとしたら同席してもらわなければいけませんが、オンラインなら出番がある時だけ参加してもらえるので効率的です。

また、カクトクさんが話していたように、お客さんとの商談件数を増やせたのも大きなメリットですね。ある外資系企業ですと、一回の商談時間を10分にしたことで、商談数が飛躍的にアップしたようです。10分しか商談できないと思えば、アジェンダも無駄を省き、何度もブラッシュアップして質を高めなければなりません。徹底した勝ち筋のシナリオを作ることで成功しているようなので、私達も見習えればと思います。

有馬 康平 SALES ROBOTICS株式会社取締役 SALES BASE本部長
ITベンダー企業にて事業責任者を経て、SALES ROBOTICS社代表内山の「テクノロジーで日本の法人営業を変える」という理念に共感し、2017年1月同社に入社。マーケティング部門・アライアンス部門を管轄し、セールスフォース・ドットコム社をはじめとするパートナー企業との連携強化に携わったのち、2018年3月より現職に就任。
https://salesbase.salesrobotics.co.jp/

商談数の増加に伴いインサイドセールスによる「質の担保」が不可欠

登壇した4社はいずれもインサイドセールスにも力を入れています。「インサイドセールスを始めて変わったことと、見込み客を増やすための工夫」をテーマに話しました。

有馬氏(SALES ROBOTICS):インサイドセールスによって、データの重要性が格段に増しましたね。例えばある会社では、オンラインイベントで1,000人規模の集客ができ、オフラインではありえなかったほどのリードを獲得できるようになりました。しかし、集客がしやすくなった反面、スクリーニングもシビアにしなければいけません。本当にニーズがあって参加したのか、興味本位で参加したのか、インサイドセールスによる選別が必要になったのです。

見込み客を増やし、商談の数を増やすことも重要ですが、その一方でニーズの高い顧客に絞って営業することも重要です。そのためには見込み客を細かくランク分けしていくのがポイント。「この言質がとれたら、このランクにする」というランク分けを定義することで、フィールドセールスも効率的に商談を進めやすくなるでしょう。

中村 小太郎氏(ラクス):私達は今年の4月からウェビナーをするようになって、対応する顧客数が劇的に増えました。しかしその一方で、案件の質が担保できなくなったように感じています。リードの数を追うのも重要ですが、同時にインサイドセールスで案件の質を高めることも重要です。案件の質をしっかり管理できていれば「今アプローチするべきか、半年後にアプローチすべきか」など、適切な判断が可能になります。


中村 小太郎 株式会社ラクスFOクラウド事業本部 MC事業部インサイドセールス・マネージャー
新卒でホテル業界へ入社しゲストリレーション業務に従事した後、ダスキン業界の営業職へ転身。さらに提案の幅を広げたいという想いから異業種であるラクスへ入社して2014年に名古屋営業所の垂直立ち上げに従事。その後、東京本社へ異動となり、配配メールの営業人材育成に携わる。前年比で商談化率2倍、商談化数2.7倍を達成。現在は、インサイドセールスリーダーとして、顧客育成の体系化とオペレーターの教育を担う。

村上氏(ベルフェイス):私達も今年の4~5月はたくさんの問い合わせがあって、商談数だけをKPIにしていました。しかし、インサイドセールスの大事なポイントは、量と質のバランスです。今は一過的に増えた問い合わせの数も以前のように戻ってきたので、商談数と受注件数の2軸を追うようにしています。量と質、両方に力学が働くように設計しています。

「リモート営業ツール」とは別に「コミュニケーションツール」の用意も必要

コロナ禍の影響で急遽リモート営業の準備を始めている企業も多いと思いますが、登壇企業がそれぞれどのような準備をしているのかをシェアしました。

石川氏(ラクス):私達は西日本にはいくつか拠点があるのですが、東日本は全て東京オフィスが営業しているので、2~3年前に営業効率を上げるためにベルフェイスを導入しました。そのため、コロナショックが起きてリモート営業の必要性が叫ばれるようになっても、特に抵抗はありませんでしたね。

強いて言うならウェビナーで使っているzoomを有料版で使い始めました。それ以外は自社サービスを使ってクラウド化していたため、スムーズにリモートワークにシフトできたと思います。

有馬氏(SALES ROBOTICS):私達も以前からベルフェイスを使ってオンライン営業をしてきました。特に地方のお客さんに関してはほとんどオンラインだったので、コロナショックが起きた時にはノウハウやナレッジが溜まっていましたね。

オンライン営業の準備で必要だと思うのは事前準備です。営業が始まってから音声が出ないといったトラブルが起きるのはよくある話なので、接続などを入念にチェックしておきましょう。オンラインの営業ツールはカンペなども見られるので、それも事前に開いておくのがいいですね。商談が始まってからバタバタ資料を用意するのは印象がよくありませんから。

最近では、リモート営業の効果を上げるために、動画コンテンツも使い始めました。まだ検証中ですが、セミナーやプレゼンの内容を数分のダイジェストにして使っています。動画なら担当者から上司に伝わる時もバイアスがかかりませんし、CMSを使えば容易に効果測定も可能です。これから営業時に動画が使われるシーンは増えていくのではないでしょうか。

村上氏(ベルフェイス):オンライン営業をする際に注意すべきポイントは主に2つあります。一つはアポを取るタイミングです。先程も言ったように、訪問するときと同じように1週間後のアポを取っていては、リスケのリスクが高くなります。遅くとも2営業日以内のアポをとりましょう。

もう一つは事前準備です。リモート営業は訪問と違って30分くらいで商談が終わるので、その分営業準備の解像度も上げなければいけません。私達は前日までに営業のシナリオをテキストにまとめて上長にチェックしてもらう体制をとっています。オンラインでの営業はメリットが大きい分、工夫しなければいけない点もいくつかあります。その点を抑えると、うまくスタートできると思うので、ぜひ参考にしてください。

「リモート営業に必要な準備と注意点」について、セールスツールを提供する4社が実践していることをお届けしました。新型コロナウイルスをきっかけに「リモート営業」に注目が集まっていますが、決して「コロナ禍をやり過ごすための施策」ではありません。今後営業効率を上げるための手法として、リモート営業は大きな一手となるでしょう。

国内最大級の営業代行プラットフォーム「カクトク」では、600社の営業代行会社、1万名の営業人材から貴社商材に強い営業人材に営業支援を依頼できます。相談は無料ですので、営業に課題をお持ちの方はぜひご活用ください。
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